TOEICのリスニングパートに苦手意識を持つ人は多いです。リスニング能力を向上させるには、問題形式を理解し、適切な対策が必要です。本記事では、TOEICリスニングの問題形式や構成、効果的な勉強法を解説します。
記事を読めば、リスニングパートの攻略法やTOEICスコアアップに役立つ具体的な方法がわかります。
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TOEICのリスニングパートの問題形式と構成

TOEICのリスニングパートは、日常会話やビジネスシーンでの英語を聞き取る力を評価する試験です。効果的な対策を練るためには、問題形式と構成の理解が重要です。リスニングパートは以下の4つに分かれています。
- Part1:写真描写問題
- Part2:応答問題
- Part3:会話問題
- Part4:説明文問題
Part1:写真描写問題
Part1の問題は、6問で構成されている写真描写問題です。1枚の写真に対して、4つの選択肢から正しい描写を選びます。写真の内容の正確な理解が求められ、リスニングスキルも同時に試されます。視覚的な理解力とリスニング力が重要です。短い時間で迅速に答える能力も求められます。
写真には室内や屋外、日常的なシーンやビジネスシーンなどが出題されやすいです。正解を選ぶには、写真の焦点や主要なアクションを見逃さないことが鍵です。選択肢の文は写真の細部に関する情報を含んでいます。リスニングしながら写真の細部を分析するスキルが必要です。
Part2:応答問題

Part2は、日常的なシチュエーションでの会話形式の質問に対して、適切な応答を選ぶ問題です。応答問題は短い会話を理解し、適切な返答を選ぶ力を測ります。25問で構成され、各質問には3つの選択肢があります。質問は一度しか読まれないため、速さと正確さが大切です。
「How was your weekend?」に対して「It was great,thanks.」などから回答を選びます。日常的な会話を理解する力が重要です。単語力やリスニング力、時間配分や先読み能力を鍛える必要があります。
Part3:会話問題
Part3の会話問題は、複数の話者による会話を聞き、内容や意図に関する質問に答える形式です。問題数は13~16問で、1つの会話に対して3つの質問が出題されます。会話の内容は日常生活やビジネスシーンが中心で、すべて英語で進行します。会話問題の攻略をする際は、以下を意識しましょう。
- 質問文と選択肢
- 会話の流れを予測
- 選択肢を先読み
- リスニング中にメモ
- 時間管理
Part4:説明文問題
Part4は短い説明文に関する問題です。電車のアナウンスや広告などの実用的な内容が出題されます。毎回10問出題されるため、集中力が必要です。質問は説明文の内容や意図に関するものが多く、選択肢は4つの中から1つ選ぶ形式です。説明文は一度しか読まれないので、内容を聞き逃さないように注意しましょう。
説明文の内容に関連するキーワードを意識して聞くことがポイントです。ナレーションにも注意を払うと、より効果的に問題を解けます。
TOEICのリスニング問題が聞き取れない原因

TOEICのリスニング問題が聞き取れない原因は以下のとおりです。
- 基本的な英語力が足りていない
- 英語の音に耳が慣れていない
- 音は聞き取れてもすぐに意味を理解できない
- すべてを完璧に覚えようとしている
TOEICのリスニングでは、すべての内容を理解するのではなく、必要な情報を迅速に拾い上げることが重要です。適切な対策を講じれば、TOEICのリスニング問題を攻略できます。
基本的な英語力が足りていない
TOEICリスニング問題が聞き取れない理由は、基本的な英語力が不足しているためです。語彙力や文法の基礎がわからなければ、問題の正確な理解が難しいです。自然なリズムやイントネーションは、日常的に英語を使用していないと感覚がつかめません。リーディングやリスニングの経験を積むことで克服できます。
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英語の音に耳が慣れていない

英語の音に耳が慣れていないと、TOEICのリスニングパートで苦労することが多いです。英語の音の特徴やリズム、アクセントに違和感を抱きやすく、特定の音やイントネーションを認識しづらいためです。英語の音の連結や省略が理解できない問題もあります。
日本語では音の連結や省略がほとんどないため、英語特有の音の変化に対応するのが難しいです。「going to」を「gonna」と発音することは日本語にはなく、聞き取るのが難しいです。英語の速い話し方に慣れていないと、TOEICのリスニングパートでの理解が難しい傾向があります。
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音は聞き取れてもすぐに意味を理解できない
音は聞き取れてもすぐに意味を理解できない理由は、以下のとおりです。
- 音のスピードについていけないことが多い
- 単語やフレーズの意味をすぐに把握する練習が不足している
- 英語の音に対する処理速度が遅い
- 文脈を瞬時に理解する力が弱い
- リスニング中に訳す作業をしてしまうことで対応が遅れる
言語処理の自動化が十分にできていないこともあります。自動化とは、英語の音を聞いた瞬間に意味が頭に浮かぶ状態です。自動化ができていないと、知っている単語でも音として認識できず、意味の理解が遅れます。普段から英語の音に慣れていないと、連続して流れる音声に対する集中力が続きません。
» 英語の発音記号の基礎から応用まで徹底解説
» 英語が聞き取れない!原因とリスニング力を向上させる方法を解説
克服するには、継続的なリスニング練習やシャドーイングが効果的です。
» シャドーイングとは?英語力が向上する効果的な方法を解説
すべてを完璧に覚えようとしている
すべてを完璧に覚えようとすることは、リスニング力向上の妨げにつながります。すべての内容を一言一句覚える必要はありません。リスニング試験では、要点を素早く把握する力が求められるからです。試験中にすべてを覚えようとすると、一部の内容に時間をかけすぎてしまい、他の部分を聴き逃す可能性があります。
頭の中で逐一訳そうとすると、全体的な流れを把握できず、重要なポイントを見逃しやすいです。すべてを記憶しようとすること自体が大きなストレスで、集中力を削ぐ原因につながります。要点だけを押さえることにより、全体的な流れを把握でき、問題に対する解答もスムーズ化します。
日常的に英語の音声を聞き流し、重要な情報だけを聞き取る練習も効果的です。練習を続ければ、自然とリスニング力が向上し、試験でも高得点を狙えます。
» 英語の聞き流し学習とは?効果や実践テクニックについて解説
TOEICのリスニング対策に効果的な勉強方法

TOEICのリスニング対策に効果的な勉強方法は以下のとおりです。
» 【初心者必見】英語のリスニング力を向上させる方法を詳しく解説
- リスニング対策用音源を何度も聞く
- 参考書でシャドーイングをする
- 普段から英語の音に慣れておく
- リスニング問題の解き方のコツを習得する
リスニング対策用音源を何度も聞く
リスニング対策用音源を何度も聞くことで、英語の音に慣れます。何度も聞くことで、耳を鍛え、音のパターンに慣れるためです。以下の方法がおすすめです。
- 聞き取れない部分を繰り返し再生する
- スクリプトを見ながら音声を聞く
- シャドーイングをする
- モデル音声をまねる
- 音源の速度を変えて練習する
- 聞き取れた内容をノートに書き出す
同じ音源を繰り返し聞くことで記憶が定着します。聞き取れない単語を重点的に練習し、スクリプトなしで再度聞いて確認しましょう。
参考書でシャドーイングをする

参考書でシャドーイングをすることは、TOEICのリスニング対策において効果的です。音声を聞きながらまねることで、発音やイントネーション、リズムなどの細かい部分を自然に学べるからです。参考書に付属しているスクリプトを使用してシャドーイングを行います。
文字を見ないで音声のみを頼りにして練習すれば、より集中してリスニングに取り組めます。リスニング力だけでなく語彙力も向上させることが可能です。自分の発音を録音して確認することで、自分の弱点を客観的に把握し、改善点を見つけられます。隙間時間を利用して短時間でも継続すれば、学習の効果が高まります。
難易度を少しずつ上げれば、ステップバイステップでリスニング力とスピーキング力を同時に鍛えることが可能です。
» 英語のスピーキング力をあげたい人必見!具体的な練習方法を解説
普段から英語の音に慣れておく
普段から英語の音に慣れておくことは、TOEICのリスニング対策において重要です。英語の音に慣れていないと、実際の試験で音声が早く感じたり、聞き取れても意味を理解するのが遅くなったりします。以下の方法が効果的なので参考にしましょう。
- 英語のニュースやポッドキャストを日常的に聞く
- 英語の映画やドラマを字幕なしで視聴する
- 英語の音楽を聴きながら歌詞を確認する
- 英語のYouTubeチャンネルをフォローして視聴する
- 英語のアプリを使ってリスニング練習する
- 英語のオーディオブックを通勤や通学中に聞く
外国人と英語で話したり、リスニング素材を倍速で再生したりするのも効果的です。英語の発音練習をして、自分の発音とネイティブの発音を比較しましょう。英語の音に自然に慣れ、TOEICのリスニング試験でもスムーズに音声を理解できます。日常生活の中で英語を聞く習慣を付けることが大切です。
リスニング問題の解き方のコツを習得する
リスニング問題を効率よく解くには、以下の方法が効果的です。
- 問題形式と傾向を理解する
- 各設問のパターンを把握する
- キーワードを聞き取る訓練をする
- 問題を先に読んでおく
- 音声のスピードに慣れる練習をする
シャドーイングを取り入れると、リズムや発音にも慣れやすく、リスニング力が向上します。定期的に模擬試験を受けるのもおすすめです。リスニング中にメモを取る習慣を付けましょう。メモがあれば、後から内容を振り返りやすくなり、設問に確実に答えられます。
TOEICのリスニングでスコアアップを目指すためのポイント

TOEICのリスニングでスコアアップを目指すためには、以下のポイントに注意しましょう。
- 質問文の疑問詞に集中する
- 問題を先読みする
- 集中力を高める
- 説明文問題はナレーションにも耳を傾ける
ポイントを意識して練習することで、TOEICのリスニングスコアを効果的に上げられます。
» 目指せスコアアップ!TOEICのパート別の勉強法完全ガイド
» スコア別に解説!TOEICの効果的な勉強方法
質問文の疑問詞に集中する
疑問詞に集中する理由は、質問の焦点を明確にし、適切な回答を導きやすくするためです。「who」「what」「when」「where」「why」「how」などの疑問詞があれば、質問の内容が特定できます。リスニング中に必要な情報だけを効率的に取得可能です。
疑問詞に集中することで、リスニング効率が飛躍的に向上できるため、見逃さないように注意しましょう。疑問詞に集中することで、必要な情報を聞き取れます。
問題を先読みする

問題を先読みすることは、次に出題される問題のトピックやキーワードを把握するうえで重要です。問題文や選択肢を読んでおけば、何を聞かれるか予想できます。重要な情報に焦点を当てやすくなり、答えを探すためのヒントを見逃さずに聞き取れます。
先読みの習慣を身に付ければ、リスニングパート全体の理解度が向上し、スコアアップにつながりやすいです。
集中力を高める
集中力を高めるためには以下の方法がおすすめです。
- 十分な休息を取る
- 適度な運動をする
- 瞑想や深呼吸でリラックスする
- カフェインの摂取をコントロールする
- 作業環境を整える
タイムマネジメントを徹底することで、一つひとつの作業に集中できます。短い休憩を挟めばリフレッシュできるため、次の作業にも集中しやすいです。
説明文問題はナレーションにも耳を傾ける
TOEICの説明文問題では、ナレーションに耳を傾けましょう。ナレーションのトーンやイントネーションに注意すると、重要な部分を予測できます。ナレーションのペースや強調する部分が重要な情報を示すことが多いです。ナレーターが感情を込めて話す部分や声の上がり下がりは、注意が必要です。
ナレーションが強調するキーワードを意識することで、後の質問に対して適切に答える準備ができます。ナレーターが声を強調した部分は、試験問題で問われやすいポイントです。全体の流れを理解しつつ、ナレーションに耳を傾ければ、TOEICのリスニング力を効果的に向上させられます。
TOEICのリスニング対策についてよくある質問

TOEICのリスニング対策についてよくある質問は以下のとおりです。
- 効率的な勉強時間の配分はある?
- スコアが伸び悩んでいるときはどうすればいい?
- リスニング力を短期間で伸ばす方法はある?
質問に対する答えを知れば、より効果的なリスニング対策ができます。
効率的な勉強時間の配分はある?
効率的な勉強時間の配分としては、毎日少なくとも30分~1時間のリスニング練習が必要です。耳を英語に慣れさせるのに効果的で、リスニングと同時にスクリプトを読む時間も設けると、内容の理解が深まります。リスニング練習の初めと終わりにシャドーイングを行う方法もあります。
発音やリズム、イントネーションも一緒に練習可能です。重点的なリスニングと軽いリスニングを組み合わせると、集中力が続くのでおすすめです。週に一度は、模擬テスト形式で全パートを通して練習しましょう。実際の試験環境に慣れ、時間配分の感覚もつかめます。苦手に特化した練習も効果的です。
リスニング素材のレベルは徐々に上げていきましょう。リスニングに加え、音読や会話練習も取り入れると英語力が向上します。学習時間を固定し、習慣化することも大切です。定期的に自己評価を行い、進捗を確認すれば、モチベーションを維持できます。
スコアが伸び悩んでいるときはどうすればいい?

スコアが伸び悩んでいる場合、まずは自分の弱点を特定しましょう。リスニングスコアが伸びない理由はさまざまですが、明確にすることで効果的な対策が取れます。以下の方法がおすすめです。
- リスニングの教材や方法を見直す
- シャドーイングやディクテーションを取り入れる
- 毎日少しずつでもリスニング練習を続ける
- ネイティブスピーカーの発音やイントネーションに慣れる
過去問を繰り返し解いて出題傾向を把握し、実戦感覚を養うことも重要です。ストレスをためず、リラックスした学習を意識しましょう。
リスニング力を短期間で伸ばす方法はある?
リスニング力を短期間で伸ばすには、集中して毎日練習することが重要です。耳が英語の音やリズムに慣れれば、自然に聞き取れます。シャドーイングやディクテーションを集中的に行うのが効果的です。シャドーイングは、聞こえた英語をすぐに口に出して繰り返す練習方法で、リスニング力と発音の両方を強化できます。
ディクテーションは聞こえた英語を書き取る練習方法で、細部まで正確に聞き取る力を養えます。
まとめ

TOEICのリスニングパートで高得点を取るためには、基本的な英語力とリスニングスキルの向上が重要です。具体的な対策は以下のとおりです。
- リスニング用の音源を何度も聞く
- シャドーイングを行う
- 質問文の疑問詞に集中する
- 問題を先読みする
効率よく学習時間を配分し、集中力を高めることでリスニング力を伸ばせます。ポイントを意識してTOEICで高得点を目指しましょう。