- 30代になって英語の発音に自信がない
- 英語を話すときに通じない経験がある
- 発音を改善したいが、何から始めればいいかわからない
30代から英語学習をやり直そうと思っても、発音の壁にぶつかる人は多いです。特に日本人は、英語の発音を難しいと感じやすいです。この記事では、英語の発音が難しい理由や日本人がつまずきやすい発音、効果的な練習方法を解説します。
記事を読めば、英語の発音に対する理解が深まり、具体的な改善方法がわかります。英語の発音を上達させるには、音の仕組みを理解することが大切です。効果のある教材を使用し、練習を継続することが重要です。正しい方法で取り組めば、30代からでも英語の発音は上達します。
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英語の発音が難しい理由
英語の発音が日本人にとって難しい理由は以下のとおりです。
- 日本語と英語の発音の違い
- 母音と子音の数
- 音声変化
- アクセントとイントネーションの違い
日本語と英語の発音の違い
日本語と英語の発音には違いがあります。日本語と英語では、基本的な音が異なります。日本語は母音中心の言語ですが、英語は子音中心の言語です。英語を話す際には、子音をはっきりと発音することが重要です。
音のまとまり方も違います。日本語は「あ」「い」「う」「え」「お」などの音節が単位ですが、英語は個々の音が独立しているのが特徴です。個々の音が単位となることで、英語特有のリズムが生まれます。発音の違いを理解し、意識的に練習することが上達への近道です。
母音と子音の数
英語の発音を難しく感じる要因の一つが、日本語と比べて、英語の方が母音と子音の数が多いことです。日本語の母音は5つですが、英語では12〜20個程度あります。子音についても、日本語が約15個なのに対し、英語は24個程度存在します。
英語には、日本語にない以下のような音が多くあるのが特徴です。
- 二重母音
- 英語特有の音(「th」「r」「l」など)
- 子音の組み合わせ
子音の組み合わせは、日本語より複雑です。母音と子音の数や種類を理解し、1つずつ正しく発音できるようにしましょう。
音声変化
音声変化とは、文章になると発音が変わる現象です。日本語にはない現象が多いので、注意が必要です。音声変化には、主に以下のようなものがあります。
- 音の連結(リエゾン)
- 音の脱落
- 音の同化
- 音の弱化
- 音の挿入
音声変化を理解することは、英語を流暢に話すために重要です。「What time is it?」という文では「What」と「time」の間の「t」の音が連結して発音されます。音声変化を意識して練習すると、自然な英語の発音に近づけます。ネイティブスピーカーの話す英語を注意深く聞き、まねてみましょう。
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アクセントとイントネーションの違い
英語を流暢に話したければ、英語のアクセントとイントネーションを理解してください。アクセントとは、単語内の特定の音節を強調することです。アクセントがあると、単語の意味を区別できます。「record」という単語は、アクセントの位置によって「記録」と「録音する」という異なる意味を持ちます。
イントネーションとは、文全体の音の強弱です。イントネーションをつけると、話者の感情や意図を伝えられます。同じ「Really?」という言葉でも、イントネーションによって意味が変わります。「本当に?」という驚きや「そうなの?」という疑いなど、異なるニュアンスを表現することが可能です。
英語と日本語で最も異なる発音の一つが、アクセントの仕組みです。英語はストレスアクセント、日本語は高低アクセントを使用します。発音の違いから、日本人学習者にとって英語のアクセントは習得が難しいと感じる場合が多いです。
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英語の発音の基本ルール
英語の発音を習得するために、以下の基本ルールを押さえてください。
- 母音の発音
- 子音の発音
- ストレスとリズム
- イントネーションのパターン
母音の発音
英語の母音は、日本語の母音とは大きく異なります。5つの母音の文字で20以上もの音を表現するので、最初は戸惑うこともあります。母音の発音で大切なのは、短母音と長母音の区別です。「ship」の「i」と「sheep」の「ee」は異なる音です。
短母音は口の開きを小さくし、長母音は口の開きを大きくするといったように区別してください。英語には、二重母音(ディフソング)と呼ばれる母音があります。二重母音とは、2つの母音の音が滑らかにつながったものです。「boy」の「oy」や「house」の「ou」が該当します。
母音を発音する際は、口の形も重要です。母音の音質は、口の開き方や舌の位置によって変わるため、鏡を見ながら練習すると効果的です。英語には「シュワー」と呼ばれる曖昧な母音があります。「シュワー」は多くの単語に含まれる重要な音で「about」の「a」や「teacher」の「er」などがあります。
子音の発音
子音の発音は、発音の基本的な要素の一つです。英語の子音は、日本語にはない音も多く存在します。主な子音の発音は、以下のとおりです。
- 破裂音
- 摩擦音
- 破擦音
- 鼻音
- 側音
- 半母音
子音を正しく発音するには、口の形や舌の位置、息の出し方などを注意しましょう。「th」であれば、舌を上の前歯の裏に軽く当てて息を出して発音します。子音の発音は単語の最初や真ん中、最後で異なる場合があります。流暢な発音を習得するためには、正しい子音の発音を身に付けることが重要です。
ストレスとリズム
英語のストレスとリズムを押さえれば、相手に理解されやすい英語を話せます。ストレスのある音節は強く、長く、高く発音されるのが特徴です。日本語とは大きく異なる点なので、注意が必要です。
英語は強勢拍リズムを持つ言語で、ストレスの置かれる音節が等間隔で現れます。強勢拍リズムは「強弱強弱」または「強弱弱強弱弱」のパターンが多いです。「I LIKE to EAT an APple」のように、大文字の部分に強勢が置かれます。
文中でストレスが置かれる単語の種類は、以下のとおりです。
内容語 | 名詞、動詞、形容詞、副詞 | ストレスが置かれる |
機能語 | 冠詞、前置詞、接続詞 | ストレスがない |
文レベルでは、重要な情報を伝える単語にストレスが置かれるため、聞き手は重要なポイントを理解しやすくなります。適切なストレスとリズムを身に付けるためには、意識的な練習が必要です。ネイティブスピーカーの発音をまねたり、手をたたきながら発音練習をしたりしてください。
イントネーションのパターン
イントネーションのパターンを押さえることは、滑らかに英語を学習するために大切です。英語のイントネーションには、主に以下のようなパターンがあります。
- 平叙文の下降調
- 疑問文の上昇調
- 選択疑問文の下降上昇調
- 感情表現の誇張
パターンを意識して練習すれば、英語らしい抑揚をつけられます。しかし、イントネーションは文脈や話者の意図によっても変化するので注意が必要です。単純に暗記するだけでなく、実際の会話の中で使い方を学ぶことが大切です。
日本人がつまずきやすい英語の発音
日本人がつまずきやすい英語の発音は、以下が挙げられます。
- RとLの発音の違い
- VとBの発音の違い
- THの発音方法
- 英語の短縮系と音の変化
RとLの発音の違い
RとLの発音の違いは、多くの日本人英語学習者にとって大きな壁となっています。Rの発音は、舌を巻き上げて喉の奥で音を作ってください。Lの発音は舌先を上の歯茎につけて発音することがポイントです。
Rを発音するときは唇を少し丸めますが、Lの場合は唇を平らにします。日本語の「ラ行」はRとLの中間的な音なので、最初は難しく感じることもあります。違いを意識して練習することで、RとLの発音を区別できるので、根気強く練習を続けましょう。
VとBの発音の違い
VとBの発音の違いは、主に口の形と息の出し方が影響しています。Vは下唇と上の歯を使って発音します。Bは上下の唇を閉じて瞬間的に息を出してください。
VとBの発音を使い分けるために、鏡を見ながら口の形や動きを確認するのが有効です。「very」と「berry」のように、発音が似た単語で練習するのもおすすめです。
THの発音方法
THの発音は、多くの日本人学習者が壁に感じています。THの発音の基本は、舌先を上の前歯の裏に軽く当てることです。息を舌と歯の間から出します。THの発音には、以下の2パターンが存在します。
- 無声音[θ]:「think」や「thank」
- 有声音[ð]:「this」や「that」
無声音[θ]と有声音[ð]は、日本語の「ス」や「ズ」の音に近いですが、舌の位置が異なるので注意が必要です。最初は難しく感じますが、繰り返し練習して筋肉を慣れさせましょう。慣れてくると、徐々に自然な発音ができるようになります。ゆっくりでも正確に発音することを心がけましょう。
» 「TH」の発音の基礎知識と発音方法を解説!
英語の短縮形と音の変化
英語の短縮形も、変化が大きい音の一つです。「主語+動詞」の短縮形の例として、以下のようなものがあります。
- I’m(I am)
- you’re(you are)
- he’s(he is)
- she’s(she is)
- it’s(it is)
- we’re(we are)
- they’re(they are)
助動詞の短縮形も頻繁に使われます。例としては以下のとおりです。
- can’t(cannot)
- won’t(will not)
- don’t(do not)
- doesn’t(does not)
- didn’t(did not)
- gonna(going to)
- wanna(want to)
- Didja(Did you)
- Turnitoff(Turn it off)
短縮形に関しても、音の変化を意識して練習しましょう。
英語の発音が上達する練習方法
英語の発音を上達させるには、効果的な練習方法を取り入れることが重要です。初心者でも取り組みやすい次の4つの方法を紹介します。
- シャドーイング
- ディクテーション
- フォニックス
- 発音記号の活用
» 英語のスピーキング力をあげたい人必見!具体的な練習方法を解説
シャドーイング
シャドーイングは、ネイティブスピーカーの音声を聞きながら、同時に声を出してまねる練習方法です。シャドーイングを繰り返せば、リスニング力と発音の向上が期待できます。シャドーイングを行う際は、音声教材やポッドキャスト、映画やドラマの一場面を練習教材として活用してください。
毎日10〜15分でいいので、継続して練習しましょう。自分の声を録音して、ネイティブ音声と比較すると、上達を実感できます。シャドーイングは、スピーキングのリズムやイントネーションの改善にも効果的です。単語レベルから文章レベルまで、段階的に難易度を上げていくことをおすすめします。
シャドーイングを効果的に行うには、音声の速度を調整し、ゆっくりした速度から練習することが効果的です。発音やイントネーションを意識して練習すれば、自然な英語の話し方を習得できます。
» シャドーイングとは?英語力が向上する効果的な方法を解説
ディクテーション
ディクテーションとは、音声を聞いて、聞いた通りに書き取る作業です。ディクテーションを繰り返すことで、リスニング力とライティング力を同時に磨けます。最初は単語の書き取りから始めましょう。単語に慣れてきたら、短いフレーズ、文章へと段階的に難易度を上げていきます。
音のつながりや省略、アクセントを意識すると以下のようなメリットがあります。
- 英語特有の音声変化も理解できる
- 文脈から意味を推測する
- 発音が改善する
速度や難易度を調整しながら継続し、正解と比較して自分の弱点を把握してください。聞き取れない箇所を重点的に練習することが重要です。
フォニックス
フォニックスは、英語の音と文字の関係を体系的に学ぶ方法です。フォニックスを学習すれば、単語の発音の規則を理解できます。フォニックスの大きな特徴は、44の基本的な音素(フォニーム)を学べる点です。
英語の音と文字の組み合わせパターンを理解でき、以下のような内容を学習できます。
- 単語を音節に分解
- つづりと発音の関係
- 新しい単語の読み方
フォニックスを学ぶと、リーディングスキルも向上します。初心者や子どもの英語学習に適していますが、30代から英語をやり直したい人にもおすすめです。フォニックスを学習すれば、発音が流暢になり、自然な英語をマスターできます。
英語の音韻認識能力を高められるので、独学にも最適です。フォニックスを勉強すれば、英語の音と文字の関係を理解できるため、より効果的に英語を学べます。
» フォニックスの基本と学習方法を解説
発音記号の活用
発音記号を活用することで、正しい英語の発音を学べます。単語の正しい発音を表現するのが、発音記号です。発音記号を活用するメリットは、以下のとおりです。
- 辞書で単語を調べる際に、発音を学べる
- 頭の中で、発音を想像できる
- 新しい単語の発音を予測できる
日々の学習に取り入れることで、より正確な発音を学習できます。発音記号を活用すると、母音と子音の正確な位置やストレスの位置、音の長さや強さを理解できるようになります。発音記号を使って、自分の発音を客観的に評価することも大切です。録音した自分の発音と発音記号を比較すると、改善点が明確になります。
» 英語の発音記号の基礎から応用まで徹底解説
英語の発音練習に役立つツール
英語の発音練習に役立つツールを活用すると、発音を効果的に改善できます。おすすめのツールは、以下のとおりです。
- オンライン英会話
- スマートフォンアプリ
- 英語学習ポッドキャスト
学習ツールを組み合わせて活用すれば、楽しみながら練習を続けられます。
» 【初心者必見】英語のリスニング力を向上させる方法を詳しく解説
オンライン英会話
オンライン英会話は、英語の発音練習にぴったりの学習ツールです。自宅にいながら、ネイティブ講師とマンツーマンで会話練習ができます。オンライン英会話の主なメリットは、以下のとおりです。
- ネイティブ講師と直接会話できる
- 自宅で気軽に受講できる
- スケジュールを柔軟に調整できる
- さまざまな講師の中から選択できる
オンライン英会話を使えば、発音やイントネーションについて、講師からすぐにフィードバックがもらえます。実践的な会話が中心となるので、日常会話で使える英語力が身に付きます。料金も比較的安く設定されているため、長期的に続けやすいのもポイントです。
オンライン英会話はレベルに合わせたカリキュラムや、発音矯正に特化したレッスンもあるため、自分のペースで練習できます。無料体験レッスンを提供するサービスもあるため、最適なサービスを安心して探せます。24時間の予約システムやキャンセル制度もあるため、仕事や家事の合間に無理なく続けられることが特徴です。
» 初心者必見!オンライン英会話の選び方
スマートフォンアプリ
スマートフォンアプリは、手軽に使えるので、隙間時間を活用して学習できます。人気のアプリには、以下のようなものがあります。
- Duolingo
- ELSA Speak
- Speechling
- English Pronunciation
- Sounds:American
英語アプリはそれぞれに特徴があるので、自分に合ったものを選ぶことが大切です。ゲーム感覚で楽しみたい人にはDuolingo、発音を集中的に学びたい人にはELSA Speakがおすすめです。
多くのアプリが無料版を提供しているので、自分に合うかどうか試しましょう。気に入ったアプリが見つかれば、有料版にアップグレードして、より多くの機能を活用してください。スマートフォンアプリを活用すれば、通勤中などの空き時間に、いつでも英語の発音練習ができます。
英語学習ポッドキャスト
英語学習ポッドキャストは、通勤や家事の合間に気軽に利用できます。ポッドキャストの最大の魅力は、ネイティブスピーカーの自然な発音を繰り返し聴けることです。ポッドキャストの主なメリットは、以下のとおりです。
- さまざまなジャンルやレベルが選べる
- スマートフォンアプリで楽しめる
- ダウンロード機能がある
- 字幕や原稿付き教材が多くある
人気のポッドキャストには以下のものがあります。
- BBC Learning English
- ESL Pod
- English as a Second Language Podcast
ポッドキャストを活用すれば、自分のペースで学習を進めることが可能です。最新の話題や文化的な情報も学べるので、楽しみながら英語力を磨けます。
» 音読で英語学習を再開!重要性や効果、効果を高めるコツを解説
まとめ
英語の発音上達のポイントを解説しました。英語の発音の難しさは日本語との違いが原因ですが、基本ルールを理解し、正しい方法で練習すれば改善できます。日本人がつまずきやすい以下の発音を押さえ、オンラインツールやアプリを活用して継続して練習しましょう。
- RとLの発音の違い
- VとBの発音の違い
- THの発音方法
- 英語の短縮系と音の変化
努力次第で30代からでも発音は上達します。自信を持って英語を話すことが上達への近道です。楽しみながら英語の発音練習に取り組みましょう。