英語学習を再開したいけれど、発音に自信が持てず、発音記号も苦手な人は多いです。日本語にない発音もあるため、発音記号ごとの読み方を理解し、ネイティブの発音を繰り返し聞いて習得する必要があります。
本記事では、英語の発音記号の基礎から応用まで詳しく解説します。正しい発音を習得して、自信を持って英語を話せるようになりましょう。
» 英語の発音が難しい理由と練習方法を解説
英語の発音記号の概要
英語の発音記号は、国際音声字母(IPA)にのっとり、正確な発音を視覚的に表現したものです。44の音素を表し、辞書や語学教材で広く使用されています。発音記号の重要性について、詳しく解説します。
» 東京外国語大学(外部サイト)
» 英語の効率的な勉強法とモチベーション維持のコツ
発音記号の重要性
発音記号は正確な発音を身に付けるための基礎となるため、英語学習において重要です。発音記号を理解すると、辞書で単語の正しい発音を確認できます。発音記号を理解するメリットは、以下のとおりです。
- 英語のアクセントやリズムを理解できる
- 発音の微妙な違いを識別できる
- 自信を持って英会話ができる
発音記号を理解すると、英語のコミュニケーションに自信が持てます。
» 英語のアクセントの基本ルールと効果的な学習方法を紹介
【母音編】英語の発音記号と読み方
英語の発音を習得するためには、母音の発音記号と読み方を知っておきましょう。英語の母音は、以下の3種類に分類されます。
- 短母音
- 長母音
- 二重母音
短母音
1つの母音からなる音のうち、短く発音する音が短母音です。英語の短母音は、主に以下の7つの音で構成されています。
- /ɪ/:pit
- /e/ :pet
- /æ/:cat
- /ʌ/:cut
- /ɒ/:hot
- /ʊ/:put
- /ə/:about
短母音の習得には、ネイティブの音声を聞いて練習することが重要です。短母音の特徴を理解して練習を重ねれば、英語の発音がより自然になります。
長母音
長母音は、短母音よりも長く発音される母音です。英語の長母音の中でも、/iː/は特に重要な音の一つです。/iː/は「イー」と発音される長い母音で、日本語の「い」よりも口を大きく開けて発音します。/iː/を正しく発音するためには、以下のポイントを意識しましょう。
- 口を横に引いて発音する
- 舌の位置は高めで前寄りにする
- 緊張感のある音色を意識する
/iː/の音が含まれる単語の例は、以下のとおりです。
- sea(海)
- eat(食べる)
- see(見る)
- feel(感じる)
/iː/の音が含まれる単語を発音する際は、「イー」の音を短母音/ɪ/よりも長く伸ばしてください。「ee」「ea」「ie」などのスペルで表される場合が多いので、覚えておくと便利です。長母音/iː/は、リーディングやリスニングで頻出する音なので、正確に発音できれば英語力が上がります。
二重母音
二重母音は、2つの母音の音が滑らかにつながった発音で、最初の母音から次の母音へ素早く移動するのが特徴です。主な英語の二重母音は、以下の5種類です。
- /aɪ/:eye、buy、fly
- /aʊ/:how、now、cow
- /eɪ/:day、say、play
- /oʊ/:go、no、so
- /ɔɪ/:boy、toy、enjoy
【子音編】英語の発音記号と読み方
英語の発音を改善するためには、正しい子音の発音を身に付けましょう。英語の子音は、以下の6種類に分けられます。
- 閉鎖音(破裂音)
- 摩擦音
- 破擦音
- 鼻音
- 側音
- 半母音
英語の子音を正確に発音できれば、英語の発音は一段と上手になります。
閉鎖音(破裂音)
閉鎖音(破裂音)とは、口の中で空気を遮断して、一気に放出することで作られる音です。閉鎖音には、以下の6種類あります。
- /p/(無声両唇破裂音)
- /b/(有声両唇破裂音)
- /t/(無声歯茎破裂音)
- /d/(有声歯茎破裂音)
- /k/(無声軟口蓋破裂音)
- /g/(有声ソフトマウス破裂)
閉鎖音は日本語の「パ行」「タ行」「カ行」に似ていますが、微妙に異なります。特に語尾の閉鎖音は、日本語にはない音なので注意が必要です。閉鎖音を正しく発音する際は、以下の点に気をつけてください。
- 有声音と無声音の違いを意識する
- 閉鎖音の位置(両唇や歯茎、軟口蓋)を意識する
- 語尾の閉鎖音は開放しない
「stop」の”p”や「cat」の”t”は、発音されない場合がほとんどです。日本語にはない発音方法なので、練習が必要です。閉鎖音を正しく発音できるようになると、より英語らしい発音に近づきます。ネイティブの発音をよく聞いて、自分の発音と比較しながら練習しましょう。
摩擦音
摩擦音は、空気の流れが狭められた部分を通過する際に生じる音です。摩擦音には、以下の3つの特徴があります。
- 息の流れを部分的に妨げて作る
- 口の中で空気を擦り合わせるように出す
- 無声音と有声音がペアになっている
摩擦音は9種類ありますが、特に使用頻度の多い音は以下のとおりです。
- [f]と[v]:上の歯と下唇で発音する(five、veryなど)
- [θ]と[ð]:舌先を上下の歯の間に置いて発音する(think、thatなど)
- [s]と[z]:舌先を上の歯茎に近づけて発音する(soon、zooなど)
摩擦音を練習する際は、鏡を見ながら口の形を確認してみましょう。
破擦音
破擦音は、破裂音と摩擦音が組み合わさった子音の一種です。英語には以下の2つの破擦音があります。
- /tʃ/と/dʒ/:日本語の「チ」に似た音(chair、catchなど)
- /dʒ/:日本語の「ヂ」に近い音(job、edgeなど)
破擦音は、日本語の「ツ」や「ヅ」とは異なるので注意が必要です。正確な発音をするには、舌の位置や口の形に気をつけてください。破裂音を発音するときは以下を意識しましょう。
- 閉鎖から摩擦へと連続的に移行する
- 単語の始まりや終わりに現れることが多い
- リスニングや発音練習で習得しやすい
鼻音
鼻音とは、口からの空気を閉じ、鼻から出る空気だけで発音される音です。英語の鼻音は異なる口の形で発音します。
- [m]:両唇を閉じて発音する(man、momなど)
- [n]:舌先を上歯茎につけて発音する(no、niceなど)
- [ŋ]:舌の奥を軟口蓋につけて発音する(sing、kingなど)
鼻音を正しく発音するコツは、鼻に空気を抜きながら発音することです。日本語の「ん」に似ていますが、よりクリアに発音しましょう。[ŋ]は日本語にない音なので、練習が必要です。主に単語の最後や中心に現れます。
側音
側音は、舌の側面から空気を出して発音する子音です。英語では/l/音が該当しますが、日本語の「ら行」の発音とは異なります。側音は、舌先を上あごの歯茎につけると発音しやすいです。難しいと感じる人は、舌の両側から空気を逃がす方法も試してみてください。
側音が含まれる単語は、「light」「love」「hello」などの単語です。語頭や語中、語尾のいずれの位置にも現れます。日本人は、側音の習得に時間がかかる場合が多いです。発音が難しいときは、舌先の位置を意識して練習しましょう。
半母音
半母音は、母音と子音の中間的な性質を持つ音で、特徴は以下のとおりです。
- 音節の始めに現れることが多い
- 他の子音と組み合わさることがある
- 発音するときに、舌や唇の位置が素早く変化する
半母音は日本語の「や行」や「わ行」の音に近いので、日本人の英語学習者にとって比較的習得しやすい音です。半母音を使った単語は以下のとおりです。
- /j/:yの音(yes、you、yearなど)
- /w/:wの音(we、what、waterなど)
英語の発音記号の覚え方
英語の発音記号を覚えるために重要なことは、以下のとおりです。
- ネイティブの発音を聞きながら覚える
- フォニックスで単語の組み合わせパターンを覚える
- 辞書で発音記号を確認する
正しい手段で、楽しみながら学習することが発音記号を覚えるコツです。
» 英語を話せるようになるには?学習のポイントを解説!
ネイティブの発音を聞きながら覚える
英語の発音記号を覚えるためには、ネイティブの発音を繰り返し聞きましょう。英語学習アプリや動画を使い、以下の方法で練習します。
- 音声と発音記号を関連づける
- シャドーイングやリピーティングを行う
- 口の形や舌の位置を意識する
単語や文章でも発音を練習しましょう。自分の発音を録音してネイティブの発音と比較すると、発音の改善点を見つけやすいです。オンライン辞書の音声機能を使えば、単語ごとに発音を確認できます。英語のポッドキャストや歌を聴くと、自然な発音にも慣れます。
» Weblio英和和英辞典(外部サイト)
発音に自信がない場合は、ネイティブスピーカーや英語教師に確認するのも良い方法です。さまざまな方法を組み合わせて学習すれば、発音記号の理解が深まり、正確な発音ができます。
» シャドーイングとは?英語力が向上する効果的な方法を解説
フォニックスで単語の組み合わせパターンを覚える
英語の発音記号を学習するためには、フォニックスを使って単語の組み合わせパターンを覚えましょう。フォニックスは、文字と音の規則を学ぶ発音ルールです。フォニックスを活用した学習方法は、以下のとおりです。
» あいうえおフォニックス(外部サイト)
- 音節を分解して発音練習をする
- 同じ音のパターンを持つ単語をグループ化する
- 頻出音の組み合わせを重点的に学習する
最初は短い単語から練習し、徐々に長い単語にしていきます。絵カードなどの視覚的な補助ツールを活用すると、効率良く学習できます。音読や歌などの生の英語も活用してください。定期的に復習すると発音のパターンが定着します。
» フォニックスの基本と学習方法を解説
辞書で発音記号を確認する
正確な発音を理解したいなら、辞書で発音記号を確認してください。信頼できる英英辞典や英和辞典を使用して、単語の横に記載されている発音記号を確認しましょう。具体的な手順は、以下のとおりです。
- 単語を辞書で引く
- 発音記号を見つける
- 記号の意味を理解する
- 実際に発音してみる
発音記号の意味がわからない場合は、辞書の付録を参照してください。オンライン辞書を利用すれば、音声も合わせて確認できるので便利です。同じ単語でも、辞書によって発音記号の表記が異なる場合があります。複数の辞書を比較して確認すると、正確な発音を把握できます。
頻繁に使用する単語は、発音記号をノートに書き写しておきましょう。発音記号を確認しながら練習すれば、正しい発音が身に付きます。定期的に辞書で発音を確認し、正しい発音を維持することが大切です。学習を継続して自信を持って英語を話しましょう。
» 英語のボキャブラリを増やすコツを解説!
英語の発音記号を覚えるときの注意点
英語の発音記号を覚える際には、以下の点に注意してください。
- アメリカ英語とイギリス英語で発音記号が異なる
- フレーズや文になると音が変化する
多様な英語の発音に触れると、より正確で自然な発音を身に付けることが可能です。
アメリカ英語とイギリス英語で発音記号が異なる
アメリカ英語とイギリス英語では、発音記号が異なる場合があります。代表的な発音は、以下のとおりです。
発音 | アメリカ英語 | イギリス英語 |
/r/音 | 発音する | 発音しないことが多い |
better | ˈ/bet̬.ɚ/ (/t/が/d/に近い音になる) | /ˈbet.ər/ |
dance | /dæns/ | /dɑːns/ |
a | /ɒ/ | /ɑː/ |
-ile | /əl/ | /aɪl/ |
/ju:/と/u:/ | /ju:/を/u:/に置き換える | /ju:/と/u:/は使い分ける |
アメリカ英語とイギリス英語の違いを意識して発音記号を学ぶと、さまざまな地方の英語の発音を身に付けられます。
フレーズや文になると音が変化する
英語の発音はフレーズや文になると音が変化します。単語単位で覚えた発音が、実際の会話では異なって聞こえる場合が多いです。音が変化する主な理由は、以下のとおりです。
- 音の連結:単語と単語がつながって発音される
- 音の脱落:特定の音が省略される
- 音の同化:隣接する音の影響を受けて、別の音に変化する
英語の音の変化を理解するために実際の会話を聞きましょう。ネイティブの会話を聞き、音の変化やアクセントを意識してください。文全体のリズムやアクセントのパターンを意識すれば、より自然な発音に近づけます。
機能語(冠詞や前置詞など)は、文中で弱く発音される場合が多いです。機能語は文脈や話者の感情によっても発音が変わります。日々の学習の中で、単語だけでなくフレーズや文単位での発音練習を取り入れましょう。音の変化を理解すれば、自然で流暢な英語に近づけます。
» 英語が聞き取れない!原因とリスニング力を向上させる方法を解説
まとめ
英語力向上には、発音記号の習得が大切です。覚えるコツは以下の3点です。
- ネイティブの発音を聞きながら覚える
- フォニックスで単語の組み合わせパターンを覚える
- 辞書で発音記号を確認する
アメリカ英語とイギリス英語の違いに注意し、ネイティブの発音を聞きながら練習しましょう。